男性ホルモン(テストステロン)とは

男性ホルモン(テストステロン)は、男性では精巣(睾丸)と一部、副腎でも作られる
テストステロンは女性でも作られる。
骨、筋肉、血液、性機能、血管、脂質代謝、認知機能に影響を及ぼす。

男性ホルモン(テストステロン)の関わり・影響がある物事

テストステロンは、意欲・筋力・認知力を支えるホルモンで、生活をしていく上で以下の3つ事象に影響する。

冒険・・・狩猟、旅、チャレンジ
競争・・・競争、ゲーム、仕事、順位
社会性・・・人間関係、縄張り意識、公平・公正を求める

チャレンジしようとしている時、成功したり勝ったりした時に、唾液中に含まれるテストステロンが増える。
例えば、狩猟をする人のテストステロン量を調査したころ、狩りに出かけようとする時、狩る直前までテストステロンは上がり続け、狩りに成功した時に更にテストステロン量が増える。
しかし、狩りに失敗するとテストステロン量は減る。
また、テストステロンが投与された人は、社会貢献度が増えたという実験がある。
他にも、ロンドンのシティのトレーダーの場合は、勝ち負けが激しいトレーダーは唾液中に含まれるテストステロン量が多いという調査結果がある。
これはトレードの勝ち負けの結果というよりは、よりリスクを取ったか取らなかったかがテストステロン量に表れている。

テストステロンと偏桃体 ~ 恐怖・不安・怒りへ影響

脳には偏桃体という個所があり「恐怖・不安・怒り」などを感じると、それを増幅して前頭葉につなげる。
偏桃体が敏感だと「恐怖・不安・怒り」をすぐに前頭葉に伝えることになる。
テストステロンは偏桃体の働きを抑える作用があるので、テストステロンが多い状態だと逃げずに戦うという判断をしがちだし、
逆にテストステロンが下がっていると、逃げたり諦めたりすることになる。

テストステロンと行動・性格・社会

・テストステロンが高い

行動:目標を定める、現実的、むやみに争わない、緻密、力仕事以外の仕事をしたい
性格:クール、緻密、現実主義、初志貫徹・やり遂げる
社会:創業社会、クリエイティブ、オリジナル、年齢に縛られない、自由

・テストステロンが低い

行動:目標を持たない、空想にひたる、強い物には逆らわない、細かい事は気にしない、与えられた仕事をする
性格:散漫、おおさっぱ、逃避的、事なかれ主義、あきらめが早い
社会:世襲社会、前例主義、年功序列、定年制がある、拘束される

テストステロンとアンチエイジング ~ テロメアとの関係

染色体の端にあるテロメアという個所に影響する
テロメアは年齢を重ねるごとに短くなっていく。
テロメアが長い人は、見た目が若く見える。
また、テロメアの長さが、うつ病や動脈硬化などと関連する。

テロメアを長くするものとして、テストステロン、運動、瞑想(マインドフルネス)があり、
短くするものとして、喫煙、悲観する、心理的なストレスといわれている。

テストステロンと男性の更年期障害

女性は閉経から更年期(障害)が始める。
閉経は全ての女性が経験すること。

男性はそういったことは無いが、社会的変化により男性の更年期障害が発生することがある。
加齢に伴いテストステロンの量は減っていく。
それに加えて、退職後、テストステロンが増える環境から遠ざかる(仕事・競争・成功・挫折・仲間といったモノが失われる)と、テストステロンが増えなくなる。

テストステロンが下がると、意欲・集中力が欠ける、チャンレンジ出来ない、人間関係がおっくうになる、眠りが浅い、痛みを感じやすい、などの状態になる。
また、他にも色々な病気のリスクが高くなる(コロナ、肥満、高血圧、糖尿病、がん、心血管疾患、うつ病)

LOH症候群 ~ テストステロン補充療法

テストステロンの低下により健康リスクが高い状態をLOH症候群(Late onset hypogonadism)という。
対策として、テストステロン補充療法に加えて、漢方、ビタミン、亜鉛などの薬物療法や、エクササイズ、食事療法、マインドフルネス、リラクゼーションなどがある。

テストステロン補充療法を行うことで、
筋肉が付き、脂肪が減る、男性機能の向上、糖代謝の改善、脂質異常症の改善が期待できる。
また、主観的な効果として、睡眠が深くなる、他人の言葉にくよくよしない、不安が減る、集中力がつく、意欲が出る、自信が出る、性欲がでる、などがある。

つまり、簡単にいえば、元気ハツラツでくよくよしない楽しい性格、筋力や身体が充実して健康な生活を送る助けになる。