ヤフーニュースの記事：「小学生の頃、テストの成績が悪く強く叱られた」南北線切りつけ事件で43歳逮捕の男が供述　に精神科医としてコメントをしました。

2025年05月12日 | コラム

43歳で「小学生時代の叱責」を動機と語る異常性には、統合失調症に特有の妄想的構造が疑われます。
過去と社会全体を飛躍的に結びつけ、犯行を正当化する思考は精神病の枠組みで理解されます。

一方、妄想性や統合失調型パーソナリティ障害でも暴力は起こり得ますが、現実検討能力は保たれ、責任能力が認められやすい。
秋葉原通り魔事件では人格障害と診断されつつ、死刑判決に至りました。

本件が病的妄想による犯行か、人格のゆがみの表出か。
孤立とゆがんだ思考に社会が早く気づける仕組みが必要です。
被害に遭われた方の人生が守られることを願います。